"ドラマ"ティック MY LIFE

テレビっ子カヲルのドラマと映画の日々。好きなこと:旅行、エンタメ、ジャニーズ

【anone】ニセ札がつないだ娘、婆、男と女の奇妙で優しい物語

脚本の神、坂元裕二のドラマ「anone」。広瀬すずちゃん主演で、田中裕子、阿部サダヲという坂本さん作品といえば!のお二人に加え、小林聡美瑛太がメインで登場します。

ストーリーの背景はシリアスな設定ながら、思わず笑ってしまうシュールな掛け合いがたまらない!

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そんなanoneのあらすじはこちら。

幼い頃に親に捨てられた過去をもつ、天涯孤独の少女ハリカ(広瀬すず)。ネットカフェで暮らし、そこで出会った少女2人と共に過ごす日々。そんな中、海辺の町「柘(つげ)」の砂浜で大金を見つけるが、ひとりの少女が持ち逃げしようとして...。

大金を砂浜に隠したのは亜乃音(田中裕子)だった。ある朝、元印刷所兼自宅の床下から大量のお札を発見し、それが亡き夫の隠したものだと知る。その大金をある理由から砂浜に隠すが、3人の少女に見つけられてしまい...。

ある日、病院で余命宣告される持元(阿部サダヲ)。持元の営むレストランの最後のお客さんとして来店した青羽(小林聡美)。なんと青羽はこれから自殺をするという。すっかり意気投合した二人は死に場所を探し、持元の車で出かけていく...。

大金持ち逃げ少女を追うハリカ、ある理由で大金を取り返さなければならない亜乃音。そんな二人とたまたますれ違い大金をめぐる騒動に加わる持元と青羽。

奇妙な出会いをした4人が、それぞれの生活に戻り、そしてまた奇妙な運命で再会し、一つ屋根の下で暮らすことに。4人が暮らす亜乃音の家(兼元印刷所)に突然現れた中世古(瑛太)は、印刷所の元従業員だった。そこで中世古が発した「ニセ札をつくろう」という言葉から、4人の運命は共同体となり奇妙に動き出していくーー。

 

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ざっくりとしたあらすじででは、anoneという作品の素晴らしさが全然伝えられない!!ストーリーは「ニセ札づくりによって生じる葛藤や人間関係のもつれ」が根幹になっているのですが、ハリカは幼い頃の痛みと新たな恋、亜乃音は娘との心苦しい確執、持元は容赦無く突きつけられた余命、青羽は過去に亡くした娘と現在の家族に抱く埋めようのない違和感を、それぞれ抱えながら生きています。

この背景を知ると「めちゃくちゃ重くて暗いドラマじゃないか」と感じてしまうかもしれませんが、そこはゴット坂本マジック。ププッと声が漏れて笑ってしまう場面も満載です。持元さんが街角インタビューに応える場面や偽りの家族を装った場面なんか、私はお腹抱えました。

奇妙でヘンテコな4人ですが、とーってもあったかいんですよね。気を許し合い包みあってるからこそ、ショートケーキの外側のフィルムも舐めちゃえるんです。

ショートケーキのシーンも大好きだし、他にも、セミ柄のパジャマのシーンとか、亜乃音さんがハリカちゃんに買ってあげた洋服のシーンとか、亜乃音さんが「布団が私を話さないんだもーん」といっているシーンとか、みかん鍋のシーンとか、亜乃音さんが病院を見つめるハリカちゃんを夜通し待っていて朝方に抱き寄せるシーンとか、、、大好きなシーンがありすぎる!!

そして物語の終盤は、本当にわりと残酷な展開になってしまうのですが、そんなしんどい状況下でも、ハリカちゃんはハリカちゃんだし、亜乃音さんは亜乃音さんだし、持元さんは持元さんだし、青羽さんは青羽さんのままなんですよね。本当にまっすぐなまま。社会的に弱い者という印象のある人々として描かれてきましたが、違う。彼女たちはとっても強い。それはなぜか。人生で大切なこと、たったひとつでもいいから大切なものを知っていて、それだけを守れればいいと思っているから。感動します。

そうして迎えるラストシーンもまた素晴らしいんです。「おもしろいドラマだったけど終わり方がな〜」という物語って割と多い気がしますが、ラストのラストまで最高です。

 

大好きすぎて幼稚な言葉しか出てこなくてすみません。でもそれでも良さをどうにか伝えたい、それほど私にとって大切なドラマの一つです。