【浅田家!】良質な笑いと涙を届けてくれる、二宮和也主演の傑作映画
2020年に観た映画でどれが印象に強く残っているか考えていたのですが、一番最初に思い浮かんだのが「浅田家!」でした。
嵐・二宮和也主演なのでジャニヲタ向け映画...なんて絶対に言わせない傑作です。
私の好きな映画BEST3に入る「湯を沸かすほどの熱い愛」の監督・脚本の中野量太氏が手がけているという色眼鏡で観ても、やはり素晴らしい作品でした。
✔︎情熱を持ち続ける意義を教えてくれる
✔︎東日本大震災を忘れないために
✔︎ニノの演技が天才(キャストも最高!)
情熱を持ち続ける意義を教えてくれる
主人公の浅田政志は一般的には“ダメ人間”なんですよね。定職にもつかずフラフラして、いきなり上京して彼女の部屋に転がり込んで...。
監督・脚本の中野量太氏のインタビューによると、脚本だけ読んだ関係者からは
「なんでこんな人物が主人公なの?」
と言われたほどだそうです。
でも政志は写真を撮ることが大好きで、その気持ちに嘘をつかなかった。
その情熱が「浅田家!」という写真集を作り上げ、写真集が売れて、スーパーアイドルを主役に映画になって、映画を通してたくさんの人に感動と希望を届けているのだから、情熱を持ち続けることの意義をまざまざと感じさせてくれます。(写真集が売れてから映画化までに、3.11での写真洗浄ストーリーがあります)
でも映画化になっていなくても、
家族写真を撮ることで実は政志は家族に幸せをもたらしている
そこが一番素晴らしいことですよね。
東日本大震災を忘れないために
写真に人生を捧げている政志が、ある出来事により写真を撮ることができなくなります。それが東日本大震災でした。
当時、被災地の現状をフィルムに残そうと現地に出向くカメラマンが多かった中、政志は悲惨な状況を撮ることに抵抗があり、シャッターをきることはありませんでした。
でも宮城県に住む家族(以前に家族写真を撮影したことがある)が気がかりで、現地入り。そこで出会ったのが「写真洗浄」をする学生でした。写真洗浄は、崩壊した家から写真を集めてきて、泥まみれになった写真を1枚ずつひたすら洗う作業です。
政志は学生を手伝い現地に滞在するようになり、そこでまた新たな出会いがあり、その出会いによる葛藤や感動があるのです。
被災された方にとって「写真」は計り知れないほど大きな存在となる
ニュースでは取り上げられることのない、この苦しみを知ることができました。
また、大テーマとしてではなく、政志の人生の重要な一部分として東日本大地震をみているので、素直に向き合えるところもあると思います。(あれから10年が経とうとしていても、正面から向き合うのはまだ怖いと思う方も多いと思いますので。私もそう)
日本中を悲しみの渦に巻き込んだ東日本大震災を後世に伝えていくためにも、「浅田家!」は意味のある映画だと思います。
ニノの演技が天才(キャストも最高!)
先ほど、主人公の政志がダメ人間すぎて脚本を読んだ関係者から疑問を持たれたと記しましたが、それでも中野量太氏は、
「二宮さんが政志を演じれば大丈夫」
と思っていたとのこと。
実際にニノが演じることで、政志が“愛されるダメ人間”に昇華されたと感じます。
確かに仕事もせずにフラフラしているけど放っておけない存在で、
政志は人間力がすごい人
だとニノの演技から伝わります。
ニノってどこか哀愁があるというか、いわゆる“雰囲気がある”人なので、それが政志のキャラクターと化学反応を起こしているのかもしれませんね。
2020年12月31日で活動休止となった嵐ですが、個人での活動として、ぜひニノには俳優業に進んで欲しい!そう思うくらいニノの演技って惹きつけられます。
また、政志兄役の妻夫木聡やお母さん役の風吹ジュン、お父さん役の平田満もかなりよかったですね。
良い意味で、どこにでもいる普通の家族に仕上がっていました!
最後の最後まで楽しませてくれる
「湯を沸かすほどの熱い愛」もそうだったのですが「浅田家!」でも、言葉通り最後の最後まで楽しませてくれるところが、印象に強く残るエッセンスとなっています。
観終わった後に「良い映画観たー!」と思えること間違いなし、良質な笑いと涙をもたらしてくれること間違いなしのおすすめ映画です。
※画像はお借りしています。