"ドラマ"ティック MY LIFE

テレビっ子カヲルのドラマと映画の日々。好きなこと:旅行、エンタメ、ジャニーズ

【Mother】余韻が抜けないドラマNO.1。愛の形を考える社会派物語

2010年に放送されたドラマ「Mother」を、2020年に観ました。

Motherといえば、天才子役・芦田愛菜ちゃんが世に名を轟かせた作品。

私はとても素晴らしい作品だと思います。見終わって何日もこのドラマのこと考えちゃうくらい、印象に濃く残る作品です。

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簡単なあらすじはこんなかんじ。

小学校で臨時教師として働くある孤独な女性(松雪泰子)は、自身の担任をしているクラスの児童(芦田愛菜)が虐待を受けていると気づく。そもそも子供が苦手だけれど、虐待をされている児童のことを放っておけず、何かと目を配っていた。そんな中、真冬の北海道のある夜に、その児童が自宅前でゴミ袋にいれて放置されているところを発見する。本能のまま児童を保護をして看病している中で、女性は「私がこの子の母親になる」と決意をし、児童を誘拐する。

北海道から女性の実家のある東京へ向かい、あらゆるトラブルや問題に直面し、親子とは、母親とは、ということを「愛」によって問いかける作品。

 

 

毎話、涙なしには観られませんでした…。つらい涙もあれば、あたたかすぎて流す涙もありました。

ストーリーとしては、「こんなことあり得ないでしょ」と思うものなんです。だって、子供を誘拐して名前も変えて普通に育てるって現実的にどうなのよ、と。でもねえ、Motherのストーリーが成り立つ理由は、"そうできたらどんなにいいことか"という誰もが抱く感情に共鳴するからだと思うんです。

子供が虐待されていると知りながら、当事者である子供は親を庇うために本当のことをいわないし、証拠がないためにどうにもしてあげられない。

すごくもどかしいじゃないですか。その視聴者の気持ちにフィットしているんですよね。皆んなが抱えるモヤモヤを代弁してくれるナビゲーター的役割もいますしね(山本耕史)。「こうできたらいいのに」って思うことなわけなので、現実的な話じゃなくても受け入れられるんだと思います。

 

また、Motherが素晴らしい作品の理由としては、二層構造になっていることも大きい。

松雪泰子芦田愛菜ちゃんの偽母子の涙ちょちょぎれ話かと思いきや、松雪泰子サイドにもうひとつのストーリーがある。なんならそっちの方がショッキングだったりして…。それがあるからこそ、Motherという話がもっと深く、もっと切なくなっています。

 

また、田中裕子と高畑淳子が、もう名女優!!!あの二人がいなかったら、ここまで印象に残るドラマにはなってなかったです(私はにとって)。田中裕子さんが手洗い場で泣くシーンなんて、もう切なくて切なくてしんどかったですもん…。

 

 

理容室、ポスト、寝台列車、駅のトイレ、渡り鳥、遊園地、歩道橋…胸がぎゅってなる場所の効果もすごくて。なんでしんとしている理容室(床屋)ってもの悲しい雰囲気なんでしょうか。一つ一つの場所にそれぞれのストーリーがあって、単なるシーンが全然ないんですよね。

画面に映し出されるシーンがすべて、セリフがなくても役者さんがでてなくても、意味をもっていて。

 

脚本はかの有名な坂本裕二さんですが、坂本さんの作品って描写がほんとーに丁寧で、食事のシーンが素敵で、そして毎話ごとに秘密が明らかになっていく、っていうところが私は大好き。Motherもすべて当てはまってます。

あのセリフ、登場人物の行動の意味することってなんだろう?っていう伏線が毎話あって、毎話丁寧に回収されていくかんじ。好きだなあ。

坂本裕二さんのトレンディドラマは観たことないので、そっちも観てみようかな。

 

Motherは重い系のドラマなので、よし観るぞって思って観る方がおすすめ。でも観た後に絶対に「良いドラマ観たな」と思えるので、2.3日家に引きこもる日とかにはぜひ、というドラマですね。